浅葱色の記憶
今まで、こんなことあったっけ


「少し猶予があるのなら、山崎監察に
御指導頂いてからということで
どうでしょう?」


「そうですね
では、山崎君と相部屋にして指導を」

「部屋は、変えなくていいだろ!!」

「永倉君、どうしたんだい?」

「別に…サクタには、早いって思って」

「だから、山崎君に鍛えて貰うんだ」


永倉さん?

どうしたんだろう?





私が泣いたりしたからだ!!




「永倉さん!大丈夫ですよ!
しっかり鍛えて貰いますし!
何より、私が言い出したことです!
隊士としての初仕事ですから
失敗しないように頑張ります!」


「1人で行くんだぞ?危険なんだぞ!」


「でも… 皆が来てくれるんでしょう?」



今まで、絶対助けに来てくれたから
完全に当てにしてるし

危険だとしても、怖くない





「サクタがこう言ってんだ
いいじゃねえか」





こうして、私は永倉さんの部屋を出て

3日間

あんなに頼んでもダメと言われた

屋根上を走り

女物の着物での柔術訓練

クナイの使い方 眠り針 薬の盛り方

よくも3日間で習得したと

我ながら、感心する






「サクタをこのまま監察に欲しいですね」



山崎さんが、太鼓判を押してくれた







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