浅葱色の記憶
目標の人物は、簡単に私に落ちた

屋敷に来いと誘われ

ホイホイついて行く


チラッ


山崎さんがいるもんね

大丈夫!!



見廻組が捜せなくて、新選組に委ねられた
この屋敷の場所


突き止めたらすぐに山崎さんが知らせに行き、私は、時間稼ぎをする



ハズが!!!



早速、襲おうとしている



「せっかちやね~ 夜は、長いんよ」



はぐらかそうとするけど

男は、私の首筋に吸いつく


「痛っ」


あまりにも乱暴な吸いつき方に
ちょっと恐怖を感じ始めた


早く眠らせてしまおう


そう思ったが、両手首を軋むほど掴まれる


「痛い!!離して!!」


「いいな…その顔…」


言ってすぐ、また手首を握られる

折れるんじゃないの!?


「痛っ 痛い!! やめて!!」


いわゆるドSって奴?



想定外なんですけど!!!


もがいているうちに、着物が崩れることを
この男は知っていた


少し開いた胸元に顔を埋め

「痛っ!やめて!!」


こんな奴にキスマークつけられるなんて!


どうにかして逃げなきゃ!!


キスしようと近づいて来たから
頭突きする


「この!!手加減してやってんのに!!」


離された手首が、思いのほか使えない
力が入らない


仕方ない…


足で思いっきり男を蹴り飛ばし

チクリ


眠り針を刺した 




大きな音に、潜んでいたらしい男達が
ぞろぞろと集まる



丸腰の女相手に、全員で刀を向けている



「かかれ!!」



訓練を受けててよかった

それでも女の着物は、動きにくい

バッと着物を開き、足を出す

手が、思うように動かない分

仕方ないよね


この時代、足とか出さないから


男らが、凝視している



チャンス?










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