浅葱色の記憶
屯所に戻ると


すぐに土方さんの部屋に呼び出された



「桂とは、どういう関係だ?」



土方さんの冷たい声色

幹部の私を見る視線が、恐ろしい

見られていたんだ…




「間者だとは、思ったことがないんですよ
だって、私はあなたに助けて貰いました
新選組の為に懸命に働いてくれてますし」


宗次郎が、そう言うと



「ええ 僕もそう思っています
しかし、今朝の離脱願いから桂との密会
気になるでしょう?」


山南さんが眼鏡を手で上げた



「サクタ…桂と恋仲なのかよ!?」



永倉さんが、そう言った



「桂とは、どういう関係なんだ!?」


原田さんが、不安そういに聞いてくる



信じている


そう言ってくれているみたいだった



だから

「恋仲です」


嘘をついた



そうすれば、新選組を守れる




土方さんの部屋から、逃げるように

中庭に出る



本当に来るのかな



チリンチリン



ここ新選組の屯所だし


どこか外で鳴らすべきだった?




シュッ




衣の音に視線をやると

壁の上に桂さん!!!


なんなのこの人!!




「新選組!!悪く思うな?
サクタは、俺が貰う!」



真結と呼ばず、サクタと呼んでくれたことには、感謝するべきだな


「う゛っ」



鳩尾を殴られた……


































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