浅葱色の記憶

沖田総司

サクタが連れて行かれた



「恋仲じゃないみたいだね」



近藤さんが言う





そりゃそうでしょう
恋仲だったら、殴って連れ去ったりする?




「総司」


「はい?」


「なんだろうねぇ 何か引っかかるんだ」


「引っかかるとは?」



近藤さんの瞳が、桂が飛び越えた壁から

私の方に向いた



「サクタ君を助けに来たような…
だけど、恋仲とは違う
前にも、こんなことがなかったかい?」


「……さぁ?」


「私よりも、総司の方が記憶に自信があるだろう?総司、思い出してごらん
ほら!命の恩人が連れ去られたんだよ!
さあ!総司!!」


「えー!?そんなこと言われましても…」

詰め寄る近藤さんと私を
皆がため息交じりに呆れる


「総司にばっかり言っても仕方ないですよ
皆で思い出してみましょう」



山南さんに助けてられた!

ふー!


なんで、私に言うかなぁ…


思い出せないのは、皆同じなのに












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