浅葱色の記憶

近藤勇





夜の庭で物音がしたからと
山崎君が見に行くと


そこに、桂がいて


幹部と話がしたいと言ったそうな




「俺の部屋に集合だ」



局長の部屋を教える訳にはいかない
自分の部屋なら、庭に近いからと
歳が名乗りを上げた



集まった幹部が、桂に驚きつつ座る


「サクタが暇だってうるせえんだ」


などと嬉しそうに、挑発する


「だったら、返せよ」


「なあ? なんで、覚えてねぇんだ?
誰かひとりくらい覚えてないのか?」


「会津公は、覚えているそうだが…
詳しく聞けていない」


「そうか……
実際、サクタがここにいなくてどうなんだ」


「そりゃ!なんつーか、寂しいを
とっくに通り越してる!!」

「ああ!心配で!!心配で!!」

「お前!!手を出してねえだろうな!!」



「こらこら、声を抑えて」




静けさを取り戻すと


代表して、私が口を開く



「ここには、なんの用で?」


「そろそろ選ばせようかと
新選組か、俺か」


ギロリと、皆を見回した後


「クククッ そんな睨むな!
どうせ、新選組を選ぶんだから!」


桂は、楽しそうに笑った




「なぜ、そう思うのですか?」


山南君が、聞くと



「ここに恋仲がいるからな
まぁ、そいつも記憶がないんだろうが」


皆が、少しざわついたが
山南君は、落ち着いていた




「あぁ それには、心当たりがあります」




なんて… 言うもんだから


皆が顔を引き攣らせる







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