浅葱色の記憶
喧嘩
「なんなんだよ!離れろ!!」



昼間に眠らせたらしく、夜中に目覚めた

部屋の主である桂がいないかわりに
見張り役として、私を抱きしめて離さない
桂さんの小姓の豪腕に、疲れた頃



「夜中に騒ぐな」



桂さんが戻ってきた



小姓が私を解放し、ぐったりと部屋を出た

こっちが、ぐったりだし!




「土方さんに会ってた?」

「あ? 色気のねえ質問だな?」

「だって!土方さんのにおいする!」

「特殊な葉じゃねえだろ」



タバコ?煙管の葉は、特殊でないにしろ



「これは、土方さんの部屋のにおいだ!
間違いない!!」


昨日の夜だって、抜け出してたのは
土方さんに会ってたんだ



「真結どうしたい?」


「だから!!何処でもいい遠くに行く!」


「新選組か!俺か!二択だ!」


「どこかに逃がしてもいいって言ってた!」


「それじゃ駄目なんだ」


「上手く生きていく」


「幸せだって、笑ってくれないと
駄目なんだって!」


「じゃあ 桂さんといる」


「いいのか? 敵になるんだぞ?」



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