浅葱色の記憶
桂さんが、やけに機嫌が悪いのは
昼間の喧嘩の続きだから




「戦に出なきゃいいんでしょ」



「俺は、戦わないといけないんだ!!
俺が… 永倉を斬っても
泣かないって言うならいい!!」


「なんで、永倉さんが出てくるの?
やっぱり!土方さんと会ってたんでしょ!」


「俺が誰と会おうが、真結には関係ない!
真結、お前は、俺をふったんだ!
永倉が好きだから、俺のところには来ない
新選組の敵になりたくないから
俺を選ばないって!
こっちは、必死で諦めようとしてるんだ!」



「桂さんの好意を利用してるのは
悪いと思ってる!
だけど、帰れない!!
皆が私を覚えてなくて良かったと思ってる
このまま離れたい
歴史を変えたくないの!」



しまった…






「歴史?」




やばっ




「ふぅー」




桂さんが、いつものキリリとした顔になる




「寝るぞ」




私、さっき起きたばかりなんだけど

チラリと桂さんの顔を見る

怖っ



「はい!」









問い詰められると思った





何も聞かれないことが、辛く感じた











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