浅葱色の記憶
「真結!!!」

「ひやあ!!!」



血相を変えた桂さんが
襖を開けた時
丁度、朝餉が出来たので呼びに来たところで、驚いた!!!


ガバッ



私を抱きしめた桂さんは、少し震えていた



「桂さん そこ座って
髪凄いことになってるから」


桂さんの髪を結いなおしていると



「あいつの髪も…結ったか?」


あいつ = 永倉さんだよね?


「いいえ さ!朝餉ですよ!
私が作ったんだから!残さないでよ!」



昨日、仲良くなったから
すでに顔見知りな皆が、美味しいと
食べてくれた




部屋に戻ると



「アイツらが羨ましい……」



アイツら = 新選組か?


「桂さんが望むなら、ここにいます」



桂さんを真っ直ぐに見つめ
そう言うと


桂さんの瞳が、揺らいだ


そして、引き寄せられ


キスをされた


あんまり油断していたから

戸惑いが、隠せなくて



「嫌だろ?」


「え?」


「好きでもない、俺にされても
嫌なんだろって言ってんだ!!!」




私の手首を掴むと

グングン歩いて行く




あっという間に、屋敷から出て



それでも、グングン引っ張られ


痛めていた手首が、ズキンズキンと
脈を打つ


その痛みが、私の手首なんだか


怒りを露わに、前を行く桂さんのなのか




「桂さん!痛いって!どこ行くんだ!?
自分で歩くから!!」





そう言っても
手首を痛めていることを知らないから

グングン引っ張られる








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