浅葱色の記憶
私は、永倉さんと相部屋に戻った


お互い照れるので、あまり会話らしい会話をすることなく


新選組での女中生活を取り戻した



非番の永倉さんが、文机に向かっていた
土方さんの仕事を手伝っているらしい


その後ろで繕い物をしながら
永倉さんの背中を時々見る





ふと、刀に目がいった




自然と口角が上がり
手を伸ばしていた



ハッ!!!



慌てて手を引っ込め


「痛っ!」



針で指を刺してしまった



「大丈夫か!?サクタ!?」

「だっ!大丈夫!よそ見しちゃって!」

「よそ見って…」

「あはっ 永倉さん頑張ってるなぁって」

「気をつけろよ?」

「はい!」






刀が、握りたい…





刀を振りたい…






なに? この気持ち…
















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