浅葱色の記憶
〝刀が欲しい〟



まるで、取り憑かれたように
刀が欲しいと思うようになった



「どうした?うまくいってねえのか?」



原田さんが、私の肩をガッツリ抱く


もう…これには慣れた
どうせ、またヘンなこと言うんだ



「新八のこと、よろしくな
ちょっと不器用な奴だけどよ
信じてやってくれ」


「え?」



原田さんが真面なことを言った



「原田さん?どうしたの?」

「どうしたって?」



ゾクッとした

未来が少しづつ変わっているような
そんな不安がよぎった



「サクタ?」



立ってられなくて、ガクッと崩れる


「おい!大丈夫かよ!?
おーい!誰か!!医務方呼んでくれ!」


原田さんの腕の中

私は、原田さんの刀に視線がいく




〝欲しい〟




手を伸ばそうとして




「サクタ! 部屋で横になった方が良い!
立てるか?」



あ…


私…


また…




「仕方ねえな」



うえぇ!!!


原田さんに抱き上げられ

部屋に戻される



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