浅葱色の記憶
「原田さん…
私… おかしいんです
刀が、握りたくて…
私を信じて、背を向けている永倉さんを
斬りたいと思ったんです」


最近の不安を吐き出した

原田さんの表情は、変わらなかった



「多分、池田屋で人を斬ったから
中山さんみたいに…」


原田さんが、にかっと笑った



「ならねえよ」


「でも…」


「ならねえ!」


「そうかな…」


「ああ!ならねえ!
俺が言うんだ!間違いねえ!」


「原田さん!」


わんわん泣いていると



「何、泣かしてんだ!!」



永倉さんが帰って来て

原田さんの手を払いのけ

私を包み込む



「サクタ 病は、気から!
大丈夫だから!不安な事は、何でも言え!
んじゃ!新八帰って来たし
明日は、一緒に槍術の稽古な!」


「はい!ありがとうございます!」






原田さんに話して良かった




「具合どうですか?うわっ!
失礼しました!!!」




私の様子を見に来た医務方が
永倉さんに抱きしめられてるのを見て
逃げて行った


「具合悪かったのか?」


今更、布団に気づいて私を心配する


「原田さんのおかげで治ったかな!」


「お前すぐそうやって無理するからな!
今日は、寝とけ!」


「手、繋いでくれますか?」


「/////おう」






永倉さんを悲しませたくない

もっと素直に生きたい





「永倉さん 好きです」


「/////なんだよ急に!!」


「急じゃないですよ
ずっと永倉さんが好きですから」


「/////おう」




照れる永倉さんを見ながら

原田さんの言ってくれたように

大丈夫な気がしてきた






「永倉さん 好きです」



「わかったって!!//////」









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