浅葱色の記憶
「山南さん… すみません
どうしても、確かめたいんです!
行かなきゃいけないんです!」


コソッと抜け出すことも出来たけど

山南さんを何度も説得した



「許可したら、怒られるんですよ
土方君から、しっかり見張りを頼まれてますからね」


何度もダメと言われたけど


「山南さん!!!お願いします!!!」


もうほんと、何度目かわからないけど


「武器は?持ってないでしょう?」

「クナイならあります!」

「これ、どうぞ」


って、刀を差し出される



「いいんですか!?」


「サクタ君があんまりしつこいので
黙って行かれたり、丸腰だと
余計に怒られますからね
土方君から戻れと言われたら、すぐに
帰ってくること!」


「ありがとうございます!!
いってきますね!!山南さん!大好き!!」



刀を受け取り、屯所を出た

屋根に上がり、煙を確認
そこを目指して走る


刀が重いけど、足取りは軽かった


新選組の羽織を見つけ


廻りの状況把握をする


圧されてる




「土方さん!!私も一緒に!!!」


「お前!!なんで!!」


「説教は、後で!!」



斬らずにすむならそうしたかった

だけど、新選組の皆を守りたかった

未来を変えず、皆と生きていたい






気がつけば、大勢の人を斬っていた






ズキンッ






胸が痛んだ



それは、刺されたあの痛みで
未来とリンクしたんだと思った


これで、皆とお別れなのかな




「真結!!!」





永倉さんが、私の名前を叫んだ


思い出してくれたの?





声の方に振り返る

確かに、そこに永倉さんがいるはずなのに

私の目には、私を刺したあの男








原田さん、ごめんなさい


また、永倉さんを悲しませてしまう




ごめんなさい

















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