浅葱色の記憶

永倉新八

「は!?で…あいつ、身代わりになって
どこにいるか、わかるのか!?」


サクタが、身代わりに…

イライラしながら、土方さんに聞く


「ああ、山崎をつけてる
場所が分かり次第、動く」


山崎さんが戻ってから、幹部のみで
出陣する


女姿のサクタを見せるわけにいかない




「新選組だ!改めさせて貰う!!」




下手人を捉え
サクタを捜すが、見つからない


「井戸だよ」


下手人がニヤリと笑う

腹を思い切り蹴り飛ばし


井戸へ



蓋を開けると、確かにサクタが見えた

縄を下ろし、それを伝い降りる



「サクタ!!しっかりしろ!!サクタ!!」


轡をとり、体に巻き付いた縄を解く


「サクタ!!」


はだけた着物を直し、頬を叩くが
反応がない

息は、ある


「永倉!どうだ!?」


「気を失ってるだけだと思う!」


上にいる土方さんに言い
再び、サクタに視線をやると

!!!サクタの顔が血まみれに見えた


それは、一瞬で


すぐに元に戻った



サクタと自分を縄で結び



「上げてくれ!!」






井戸から出ると、皆がサクタに声を掛ける



グタリと全く意識の戻る気配がない
そんなサクタを抱き抱え屯所へ


隊士らに見られないよう裏口から
俺の部屋に寝かす




「サクタ…」









丸2日、サクタは目覚めなかった















< 34 / 171 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop