浅葱色の記憶
〝救急車が来た!もう、大丈夫だぞ!〟



……男の人?




電話してくれてたのは、女の人だった


目を開けなくちゃ!


状況を見なくちゃ!


……サラリーマン?


「女の子が目を開けた!!」

「しっかり!!わかる?」


たくさんの人に囲まれていた


だけど、声を掛けてくれるのは、この2人


ふと、中山さんの方を見ようとする


「男の子の方は、気にしない!
今は、君が助かることを考えて!」


中山さんを見せないようにしてる?


救急隊の人が私の頭を固定してるのかな
何かつけてる



ズキンッ








「イッタァ……」


「どうした?」

「どこか、痛むのか?」


「もう!!人の寝顔見るの辞めて下さい!」


永倉さんと原田さんが
心配してくれてるんだろうけど

近い……

本当、近い!


布団に潜って、心を落ち着かせる


ガバッ


「おはようございます」



「おはよう」

「うっす」



「朝餉の支度をしないと!」



「今日は、寝坊していいってよ!」

「なんで!?」

「平助と一が、代わってくれるって!」

「そうそう、寝れないだろうからってな」

「めちゃくちゃ寝ましたけど」

「まぁいいじゃねぇか!」




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