浅葱色の記憶
「中山さん!!どうして!?」

「うるせえんだよ!
ぎゃあぎゃあ泣きやがって!!」

「中山……許せない」



藤堂さんが怒りを表に出していた




あれ……


透けてない……




人を斬リ過ぎて、透けるんじゃない
私を斬ったからだ!


確信した



藤堂さんごめんなさい!!


ドカッ


「うっ」


意識を奪い、刀を拝借


「中山さん!あなたは、私を斬れませんよ
この前みたいに透けるよ!
大人しく、私に捕まって下さい!」


「いやだと言ったら?」


「未来のあなたは、死にかけてます!
斬れば斬るほど、出血するんです!
このままじゃ、死にますよ!」


「ここで生きる」


「それは、無理です!
私が、中山さんを帰します!!!」


中山さんと試合をしたのは
中学校以来だ…

試合なんてレベルじゃないか


本物の刀を交えているんだ


くっ 


藤堂さんの刀、重い!!!

中山さんは、私用に選んでくれた
小ぶりの軽い刀

力の差 そして、技術の差


やばい!!


でも、中山さんに私を斬らせれば

もしかしたら…


わざと斬らせよう作戦は



失敗



「そうはいかない!俺は、まだ斬りたい!
もっと、もっと!斬りたい!!!」


「なら、中山さんを止める為……
私が、中山さんを斬るしかありませんね」


これ以上、罪もない人を斬らせない!!!


中山さんは、私を斬れない


これだけの有利な条件ないでしょ





足を少し引き、型に入る

同じ道場だから、手の内はバレてる



だけど、これは私の得意技




逆刀







正面から来る中山さんを後退しながら
中山さんの刀を左に受け流す
中山さんの顔面に一撃加え
追撃、喉元に… トドメを…



「やれよ」




……できない







私には、できない






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