浅葱色の記憶
何となく騙されたような気がして
少しムッとする

帰りの途中
馬が、私の機嫌を察したのか

いうことを聞かず

降りて休むことになった

降りようとしたら、佐々木さんの手が
あろうことか

胸に当たる


「え?」


バシンッ



思わずビンタしてしまった



頬に手を当て、目を丸くする



「まさか… 女子なのか?」


まさかって、傷つくんですけど



「そのまさかですけど!!」


佐々木さんが、また手を伸ばしてきた

信用してないのか!!


その手をひねり


「触るな!スケベ!!」


しまった!スケベって、この時代…


「失礼な!確かめようとしただけだ!」


あ!通じるんだ!?


結局、休憩せず

なんだかんだと言い争いながら
屯所にたどり着く


遅くなったので、門で幹部らが
出迎えてくれた



「遅かったな」

「佐々木さんが胸触ったから!」

「誰が!お前の胸などに興味あるものか!」

「触ったじゃない!」

「1回くらいで、ぎゃあぎゃあ言うな!」

「2回触ろうとした!!」

「確認だ!」

「なにが確認だ!このスケベ!!」

「ぬっ!また言うか!!」

「スケベ!!スケベ!!スケベ!!」

「このお!」

「いひゃーい!」

「ぬーなにおしゅるー!」


ほっぺの引っ張り合いに発展した所で


「2人とも、それくらいにして下さい」


近藤さんに止められた




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