浅葱色の記憶
数日、今までと変わらない生活を送り
このままずっと
ここで暮らせる
そんな気持ちでいたのに
カタン
朝餉の支度中、私の手が透け
持っていたしゃもじが床に落ちた
私は、呆然とした
「サクタさん」
咄嗟に手を隠した
「手伝うことあります?」
「あ!出来たもの運んで下さい!」
「これですね!わかりました!」
稽古が終わると、いつも下の隊士が
手伝いにくる
次々にくる隊士らが、私を見る
「どうしたんですか?」
明らかに動揺していて、尚かつ
両手を後ろに回して
動かない私を不審がる
「えへへ… ちょっと怪我して
恥ずかしいから、隠してる」
「駄目じゃないですか!手当てしなきゃ!」
逆効果だったらしい
「ちょっと捻っただけ!大丈夫!」
「??? 料理してて?」
「……突き指?」
「料理してて突き指?」
「そうそう」
「診せて」
新入りだけど、この人は医術を学んでいる
その責任感だろうけど
グイッ
ヤバイ!!!
「どの指ですか?」
透けてない……
よかった……
ストンと腰がヌケる
「サクタさん!?突き指なんて、嘘ですね?
具合が悪いんでしょ!?
副長に言って、今日は休みましょう!」
すぐに、土方さんが山崎さんを連れてきた
「どんな感じや?」
「ちょっと座ってたら、良くなった!
大丈夫!もう、平気!!」
「こんな時に強がるなよ!
顔色悪いぞ!無理せず寝とけ!」
「でも……」
「副長がええって言うとんねん!寝とけ!」
目を閉じれば、向こうに行ってしまう
私は、消えて
もう、ここに戻れない
そんな不安で、いっぱいだった
このままずっと
ここで暮らせる
そんな気持ちでいたのに
カタン
朝餉の支度中、私の手が透け
持っていたしゃもじが床に落ちた
私は、呆然とした
「サクタさん」
咄嗟に手を隠した
「手伝うことあります?」
「あ!出来たもの運んで下さい!」
「これですね!わかりました!」
稽古が終わると、いつも下の隊士が
手伝いにくる
次々にくる隊士らが、私を見る
「どうしたんですか?」
明らかに動揺していて、尚かつ
両手を後ろに回して
動かない私を不審がる
「えへへ… ちょっと怪我して
恥ずかしいから、隠してる」
「駄目じゃないですか!手当てしなきゃ!」
逆効果だったらしい
「ちょっと捻っただけ!大丈夫!」
「??? 料理してて?」
「……突き指?」
「料理してて突き指?」
「そうそう」
「診せて」
新入りだけど、この人は医術を学んでいる
その責任感だろうけど
グイッ
ヤバイ!!!
「どの指ですか?」
透けてない……
よかった……
ストンと腰がヌケる
「サクタさん!?突き指なんて、嘘ですね?
具合が悪いんでしょ!?
副長に言って、今日は休みましょう!」
すぐに、土方さんが山崎さんを連れてきた
「どんな感じや?」
「ちょっと座ってたら、良くなった!
大丈夫!もう、平気!!」
「こんな時に強がるなよ!
顔色悪いぞ!無理せず寝とけ!」
「でも……」
「副長がええって言うとんねん!寝とけ!」
目を閉じれば、向こうに行ってしまう
私は、消えて
もう、ここに戻れない
そんな不安で、いっぱいだった