浅葱色の記憶
改めて刻限や読み書きを教え直す


相変わらず、のみ込みが早い


「私!園芸部だからね!」


なんだそれ?

畑を見て喜んでいたり
料理の火加減を失敗したり
皆と仲良くなったり


この数ヶ月をたった1日で取り戻した







「男の人と一緒の部屋とか嫌なんだけど」




夕餉の後、文句を言いに来た


「男所帯なんだから、仕方ねえだろ」


「なぁサクタ、この中だと、誰が好みだ?」


サクタが心配だからと、久しぶりに泊まる
と、言い出した原田が
こんな質問をした



「ええ? まぁ皆格好いいと思うけど
……土方さんかな?」


皆が、クスッと笑う


「だとよ」


永倉を見ると、完璧に拗ねていた


「俺は!?」


そう言って詰め寄る永倉に



「普通」



サクタは、追い打ちをかけた




「やっぱりサクタは、最高!
今日は、俺達と仲良く寝ような!
いいか!?好みの奴と寝ると
ドキドキして、寝れない
普通な奴なら、気にせず寝れる!」


「うん!そうかも!」


「よしゃ!決まり!ほら、部屋行くぞ!」


「はぁーい!」



原田が、連れ出した後



「すっげえ複雑なんだけど!!!
土方さん!!真結は、渡さないから!!」


「今、お前のじゃねえぞ」


「くっそぉ-!なんで、記憶ねぇんだよ!」



「仕方ねえだろ」



「なんか手はねえのか?」


「あるわけねえだろ
山南さんに考えてもらえ」


「土方君、さすがにお手上げですよ」


「山南さん!!そこをなんとか!!!」





永倉が不憫だが……

何があったのか、記憶がないなら
探りようもない








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