アンドロイド#01
「ハァ‥良かった、間に合った…。」
「ねぇ、ママ…。」
「ほら行くわよ。」
私は息子の話を聞こうとはせず、手続きを済ませて機内に乗り込んだ。
窓際に座ったダルは不安そうに窓の外を見ていたが、私は久々の休暇に胸が高鳴るのを感じていた。
離陸してしばらくすると睡魔が襲ってきた。
連日の残業や仕事の持ち帰りで、このところ寝不足が続いていたのだ。
少しだけでも充電しておこう。そう思い、敢えて睡魔に抗うことはしなかった。