アンドロイド#01
ココロ
「博士。…シェリル博士。」
気を失っていたようだ。
「…シャープは!?」
「…データ管理室に。」
レイモンドを押し退けて、シェリル博士は医務室を飛び出した。
様々な装置がある、広い真っ白な部屋にシャープは居た。
廃棄の前に、シャープのデータを消去するためだ。
若い研究員、シャーロットがシャープに座るよう促す。
『俺は…災害用アンドロイド失格か?』
シャープが純粋な瞳をしてシャーロットに問う。
「…そんな顔しないで、シャープ。
確かに、人を救うべき貴方が人を殺めようとしたのは悪いことよ。
だけど、貴方には心があるもの。それを無かったことにしようとした博士も悪いと思うわ。」
「偉くなったものね、シャーロット。」
ハッとして、慌てて口を覆い、シャーロットは振り向いた。
「シェリル博士…!」
「いいえ、いいのよ。貴女の言う通りだわ。」
謝ろうとするシャーロットに軽く右手を上げ、博士は言った。