アンドロイド#01
「まさか…、自分で破壊したっていうの…?」
破壊したのは、きっとシャープ自身だろう。
私は禁忌を冒しすぎた。
そんな存在を作ってしまった私に責任があるのに…、あの子は、自分を…。
「シャープ…、貴方は、私のもう一人の大切な息子だったわね…。」
チュ、おでこにキスを落とし、シェリル博士はパソコンへと向かった。
シャープの製造過程や研究データ一式をオールデリートする。
「こんなもの…絶対に世に出てはいけない…。
災害用アンドロイドとしては申し分無いけどね…。」
クスリ、哀しい笑みを溢して博士は呟いた。
「ダルのお墓に花束を持って行きましょう…。」
息子の死と向き合えずに、なかなか行けなかったお墓を綺麗に掃除して。
息子の、大好きな花束を。
そして隣に、もう一人の息子のお墓を…。
【END】