アンドロイド#01
「………………。」
『博士?』
「…ここは?」
「あら、お目覚めですか?博士、ご気分は?」
換えの点滴を持ってきた、研究所専用の女医が尋ねた。
「…ええ、大丈夫よ。」
初めてシャープと会話を交わした日の、自分とシャープのような会話に、博士は少しおかしくなった。
「シャープ、博士は大丈夫だから、貴方は研究室に戻りなさい。」
点滴を換えながら女医は言う。
しかし、なかなか腰を上げようとはしないシャープに、博士も口を添えた。
「私は大丈夫だから、貴方は戻りなさい。」
『…分かった。』
幼い子どものように不服そうに立ち上がると、シャープは扉の前で一度振り返り、しかし何も言わずに出て行ってしまった。
「…フフ、博士ったら、お母さんの顔になってますよ。」
クスリと笑って、女医は去っていった。
ハタ、と自分の頬を触る。
「やだ…どうかしてるわ…。」