アンドロイド#01
過去
あれは4年前のことだった。
「ダル、早くして!時間が無いのよ!!」
13歳になる息子は昔から悠長な子で、いつも時間に追われた生活をしている私を苛立たせていた。
髪はツヤツヤのブロンドで体型はぽっちゃり、瞳の色はグリーンのだんごっ鼻が息子の外見的特徴だ。
つくづく私に似なかったなぁ、と思う。
ダルと名付けたのがそもそもの間違いだったのか。
dullなんてマイナスイメージしか無い名前を、どうして私は選んだのだろう。
昔のことが思い出せないなんて私も年をとったわね‥
dullの意味は、「鈍い」。
その名の通り、彼は忠実に育ったと思う。