私たちの、歪な関係
てか、よく見たらあの人同じクラスの……
咲間くんだ。
周りの女子がみんな騒いでる。
周りの女子だけじゃない、この学校のほぼ全女子だ。
かっこよくて成績もよくて"完璧"だって。
そんな人がなんでここに?
するとじっと保健室を覗いていた私に気がついたのか、ハルちゃんは私に手を振った。
「優衣ーっ」
ああかわいい。
それに私も手を振り返す。
すると、私に背を向けて立っていた咲間くんは私を見るなり目を見開いた。
………なんだろう?
「先生、ありがとうございました。また来ます」
「あはは、ほどほどにね~」
するとハルちゃんに一声かけて私の方へ来た。
「如月さん、だよね?
一緒に帰ろう」
そしてそう言ったのだ。
私と同じ、作り笑顔を顔に貼り付けて。
………なんだ、この人私と一緒か。
私は鞄を教室に置いてきたらしい咲間くんの後をついて一緒に教室に入った。
「ごめんね」
「全然大丈夫だよーっ」
私はいつものように猫をかぶった。
「疲れない?」
すると咲間くんはそう言って私を見たんだ。
「笑顔、疲れるでしょ」
そしてもう一度、自分の口元を指さして言った。
…この人、何。
「お互い様だよ」
私は笑顔でそう言って咲間くんを指さした。
「あは、バレた?」
「バレバレ」
この人なかなか面白い。
ああ、そう言えばこの人ハルちゃん好きなんだっけ?
最近退屈してたし、退屈しのぎには丁度いいかもな。
なんて思ったのがきっかけ。
「ねぇ、あなたハルちゃん好きなんでしょう?」
急に何って顔してる。
「ハルちゃん?」
「保健医の。」
「ああ。南雲先生」
「私あの人のいとこなの。」
「へぇ…」
つまり何が言いたいの?って顔。