私たちの、歪な関係
まったく、なんでこんな私に頼むかねぇ……
絶対先生自分でやったほうが早いでしょうに。
毎回文句を思いながらもちゃんとやる私はきっと本当に先生からは優等生に見えてるんだろうな。
それはいい事なんだけど。
コンコン、
「先生~、開けてくださーい!」
資料室につくと、ドアを開けれないので先生を呼ぶ。
…確か先に行って掃除してるって言ってた……
「おお~!」
するとすぐに先生が気づいてくれたみたいでドアが開いた。
「ありがとな~」
「いえいえ…!」
「そこまで頼む」
私は先生が言った机に資料を置くと、資料室を出ようと先生に背を向け、ドアの方へ歩いた。
「じゃ、失礼しますね」
そう言って少し振り向くと、私の視界は一気に暗くなった。
「えっ!?」
そしてそれと同時に腕を引っ張られ、ドアが音を立てて閉まる音がした。
「やっ、何!?」
何も見えなくて、身動きもとれない。
怖い。
どうしよう、どうしよう。
「落ち着いて、如月」
落ち着いてられるか!!
「せ、先生?!なんなんですかっ!」
きっと目には先生のネクタイだろうか?
何かが目隠しとして巻かれていて体は先生によって両手を後ろに掴まれている。
「如月はいい子だよなぁ……」
何!?
田中先生……
どうしたの!?
耳元で先生の息が聞こえる。
……気持ち悪い
「…っ、やめてくださいっ!」
私は必死にもがく。
「如月、お前俺のこと好きだろ?
だから毎回俺のおつかい頼まれてくれるんだろ?」
何、言ってるのこの人は…!
「何言ってるんですか!?」
「隠さなくていい。
咲間ともおどされて仕方なくつき合っているんだろ?」
この人…無茶苦茶だ。
「違います!!」
隼……
「つ、通報しますよ!?」
「如月……」
先生の声が近い。
鳥肌が立つ。
「いやっ!!」
そう叫んだ時、ガタンと扉の方から音と誰かの声がした。
「優衣っ!?」
なんで………?
……隼だ……
「ちょ、先生!?
何してるんですか!?」
隼が先生を捕まえたのか、私の体は自由になった。
目元に巻かれていたネクタイを慌てて取ると、やっぱり隼で。
「何事ですか!?」
「どうかしましたか!?」
「咲間くん!?」
それからバタバタとほかの先生がきて、田中先生は先生達に捕まって資料室を出ていった。
私はそれをぼーっと眺めることしか出来なかった。
「はぁっ……」
安心したのか、腰が抜けてその場に座り込む。
「優衣っ」
すると隼が私の体を支えてくれた。
「大丈夫?」
「な、なんで………」
隼がいるの…?