私たちの、歪な関係
「ねぇ、俺優衣と別れたつもりないんだけど…」
少し言いずらそうに言う隼。
「へっ……」
思ったよりアホらしい声が出てしまった。
「……優衣、あの日言うだけ言って帰ったじゃん。
俺なんにも言ってないし……成立してないなぁって思ってたんだよね」
……確かに、言われてみれば。
私は言うだけ言って隼の家を飛び出してしまった。
「それに、俺優衣と別れるつもりないし」
「え……」
隼のその言葉にまた驚く。
別れるつもりない?
…なんで?
「別れたくないし……」
隼の言葉にまた首を傾げる。
どうして?
「……隼…」
それは、どういう…?
だって隼はハルちゃんが好きで、ハルちゃんと仲良くなるために私と……
「ごめん、もっと早く俺が言えればよかった。
俺、南雲先生じゃなくて優衣が好きなんだよ」
「……………へ?」
隼の目はまっすぐ私の目を見ている。
「優衣は覚えてないかもしれないけど、
入学式のとき。
優衣新入生代表で挨拶だったでしょ?
その時俺、一目惚れだったんだよね……
それからずっと、優衣のこと見てて…
2年になって同じクラスになったとき、本当に嬉しかった。
どうにかして仲良くなるぞって思ってたとき、たまたま怪我して。
保健室にいたら丁度優衣がきて….それで優衣と話してつき合った……
優衣が、俺のこと南雲先生が好きって誤解してたのは予想外だったけど…
それでも優衣と付き合えるなら、どんな形でも傍にいらるならって……
俺、最低……」
隼はそこまで一気に話したらふぅっと息を吐いた。
嘘………
「……………一緒にいたい」
また、勝手に口が動く。
私の口、ちゃんと筋肉働いてる?
「……隼と一緒にいたい」