私たちの、歪な関係
私の言葉に隼が目を大きく見開いた。
「隼のこと、好きかどうかわからないけど…
隼と一緒にいる時間は楽しくて、それがほかの誰かなんて想像出来なくて……
隼の隣に知らない人がいるって想像するだけで胸が張り裂けそう……
これって、好きってことなのかな?」
私は自分のスカートをぎゅっと握りながら隼を見て言った。
「…わからない、だけど俺は優衣に対して全く同じ気持ちだよ。
俺は、これは好きって思ってる」
隼は、本当に優しく笑った。
いつもの作り笑いじゃない、久しぶりに隼の笑顔を見た。
「……じゃあ、これも好き?」
私はドキドキと心拍数の多い胸元に手を当てる。
これが、好きなのかな…?
目を閉じて考える。
これが、好きって気持ちか……
好き……
好き……
隼が好き……
他のどの人にも譲れない………
「……隼が好き」
小さく呟いた私の言葉は、隼にちゃんと届いていた。
「俺も、優衣が好き。大好き」
隼はそう言って笑うと、私の手を優しく握った。
「やっと手に入れた………」
そして本当に本当に、嬉しそうに笑った。