私たちの、歪な関係



「私と付き合ってよ。
そうすればもれなくハルちゃんと仲良くなれちゃう。理由が無くても保健室に連れて行ってあげる」


きっと今、理由がなきゃ保健室に行けないでしょ?

ハルちゃんは怪我したり理由がなきゃ保健室に入れないから。


「……だけどそれ、如月さんにメリットは……」


「ない。だけど強いて言うなら、男避け?ってところかな。」

正直、私が好きじゃない人や好きになれない人からの好意ほど好かないものは無い。

だけどこの、"完璧"な咲間くんと付き合えば少しは効果あるかなって思っただけ。


「咲間くんも女避けに私を使えばいい。


それと、ハルちゃんと仲良くなるため。


悪い話じゃないと思うけど」



どう?と咲間くんを見る。


その時の咲間くんの顔。

すごく悩んでた。


そんなに悩むことかな…?

私だったら喜んで了承するんだけどなぁ。


「無理にとは言わないよ。

だけど、私の作り笑顔の事とか他の人に言わないでね?」


バレたら面倒。

噂が立つだけでも面倒だから。


「わかった」






決まったのかな?



「その話乗った」




………そう来なくっちゃ。




「そう。よろしくね、隼」




私は口角をぐいっと上げて言うと、咲間くんも同じようにした。




「よろしく、優衣」










私達は交渉成立の握手を交わした。






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