私たちの、歪な関係



放課後。

隼のクラスに迎えにいく。

……実際、やってることは特に変わってない。


前の関係のときも、いまの関係も。

一緒に帰って、ゲームやるか帰るか。

たまにハルちゃんのところに行く。

ハルちゃんのところへ行く回数が減っただけ。

それと図書室に行く回数もだいぶ減った。

いっそのこと本を借りてしまおうかとも思ったけど、やっぱり本は図書室で読むのが一番落ち着いて読めるし本の内容がすとんとはいってくる。

……変なの私。


卒業したらどうするんだろう、本読まなくなるのかな。


「優衣、おまたせ」

「うん、行こう」


2人で並んで歩き始めると、まだ帰ってない生徒がちらほら。

「あ…優衣ちゃんと隼くん。
2人でいるとこ最近見なくなってたからさみしかったんだよねぇ」

「わかる!なんかあのカップルはすごく好き。
かわいいよね」

「うんうん、穏やか」


そんな言葉が耳に入ってきて。


隼と顔を見合わせて笑ってしまった。

嬉しい、自分たちが認められてることが。



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