私たちの、歪な関係
「おじゃましまーす!」
「あら優衣ちゃん、いらっしゃい」
もう隼の家には何回も来ているのでお母さんとも仲良しだ。
「雨、濡れなかった?」
「傘持ってたんで大丈夫でしたよー」
「母さん、ゲームするから」
「はいはい、ほどほどにね」
隼は1人っ子でお母さんは専業主婦。
お父さんはお医者様らしい。
とても愛されて育ったんだなって感じる家。
私はそんな隼が少し羨ましい。
別に私が愛されていない訳では無いけど、やっぱり自分と違う環境には少なからず憧れをもつ。
「優衣」
「わっ」
隼に名前を呼ばれたと思ったらタオルが飛んできた。
「風邪ひくぞ」
「ありがとー」
私は隼から受け取ったタオルで少し濡れてしまった髪を拭くと隼と一緒に隼の部屋へ。