私たちの、歪な関係
お母さんが夜の仕事をしているのには理由がある。
お父さんが……浮気をし始めて、私の学費をもちろん払ってくれるんだけど本当にそれだけなんだ。
振り込むものは払ってくれるのだが、私たちの生活費は一切出してくれなくなった。
だから私がバイトを始めると言ったのだが、お母さんにそれは猛反対された。
そしてお母さんが儲かる夜の仕事をし始めたことによってこの問題はまるく収まった。
……本当に、申し訳ないとおもっている。
だけど、お母さんが就職して安定した収入を求めるようになったということは、きっとそういうこと。
………私、大学に進学していいのかな。
私も働いた方が……
「優衣は、なにも考えなくていいからね。
優衣の好きな道に進みなね」
そんな私の心を読んでいたかのようにお母さんは言った。
驚いてお母さんをみると、困ったように笑って言った。
「大丈夫よ」
お母さん………
きっと全部気づいてるんだろうな。
私が離婚のことを心配していることも、私が進路を迷っていることも。
私はお母さんに笑いかけると、自分の食器を片付け始めた。