私たちの、歪な関係
「どうかしたの?なんだか今日恥ずかしいんだけど……」
私がそう言うと、隼は少し照れたように笑って言った。
「なんか、前はキスが契約みたいになってたからもうこれからはそうじゃないんだなって思うと嬉しくて」
やっぱり、契約って思うよね。
私も思ってた。
「そうだね、契約なんかじゃないよ」
お互いの誤解は解けていたといえども、どこかで隼は不安に思っていたのかもしれない。
私たちの関係を。
もちろん私だって不安に思う時もある。
だけど、私たちなりのペースでゆっくり進んでいけばいいんだ。
「そろそろ日が落ちそう。
帰ろうか」
私は隼の言葉に頷いた。