私たちの、歪な関係
「あっ!優衣ちゃんだー、焼けた?」
廊下を歩いていると、顔見知り程度の男子数人が声をかけてきた。
「え?そうかな?」
彼の言葉に反応して顔を触る。
「うん、若干ねー!優衣ちゃん肌白いからなんとなくね」
「あはは、そっか」
「じゃ、またね!」
「ばいばーい!」
彼らに手を振るとまた声をかけられる。
夏休み中はみんな会うこともなかったし、夏休み前も隼のことやハルちゃんのことでずっとゴタゴタしてたから、声はかけてくれてもすぐ終わらせていた。
たまにはいいな。
なんて思ってる私はなんなんだ。
それからも、女子や男子から声をかけられやっとの事で隼のクラスにいくと、なぜか不機嫌そう。
丁度今日教室掃除だったらしい駿くんにその理由を聞くが
「わからない」
しか言ってくれない。
そして掃除をさっさと済まして帰ってしまった。
いや、きっと駿くんは本当にわからないんだとは思うけど……
「隼?どうしたの、帰ろ」
そう言って隼の側に近寄り俯きがちな顔を覗き込むがやっぱり機嫌が悪い。
本当にわからない。
「ねぇどうしたの?」
ツンツンとふてくされてる隼の制服の裾を引っ張るがまるで反応しない。
私なんか悪いことしちゃったのかなぁ?
「私何かした?」
そう言って隼を見ると、隼は小さいため息をついて隼の服を掴んでいた私の手を握った。
「?」
「前の関係のときは我慢してたけど…」
「?」
前の関係とはきっと、契約じみた関係の時だ。