私たちの、歪な関係
優衣と隼の関係
私たちの関係は、歪だ。
「はーやとっ」
あるお昼休み。
私は私の彼氏である咲間 隼 -サクマ ハヤト-のクラスへ英語の教科書を借りに行った。
「優衣。どうしたの?」
この、サラサラの黒髪に女の子よりも綺麗なんじゃないかってくらいの綺麗な肌。
つまり、一言で言うと隼は容姿端麗。
「英語の教科書忘れちゃったんだけど、貸してくれない?」
両手をパンっと合わせて"お願い"のポーズをとる。
「ん。」
すると隼は丁度持っていたらしい英語の教科書を出すと私に渡した。
「ありがとー!」
私はそれを受け取ると精一杯の笑顔を作った。
「あー優衣ちゃんだー!」
「今日もかわいー!」
「お前らうるさいよ。優衣、もー行きな」
隼の友達にからかわれるとすぐに隼がそう言った。
いつもの事。
「あはは。じゃあね隼。
また返しくるね」
「今日はもう無いから帰りでいいよ」
「わかった!」
そして私は隼のクラスから出ると借りた英語の教科書をパラパラと捲りながら自分のクラスへ戻った。