私たちの、歪な関係
そして放課後。
私と隼はいつものように帰路についた。
「隼」
「何?」
「クリスマスなにか予定ある?」
「いや別にないけど…」
「じゃあデートしよう」
なんてストレートに言えたらな………
珍しく私たちは無言で帰っていた。
「……」
「……」
お互いの足音と息遣いがたまに聞こえるだけであとは景色の一部として他の音が聴こえるだけだ。
言わなきゃ……
言わなきゃいけないのに…
なんだか直前で誘うのも変な感じが……
「……は」
「優衣」
あ……
タイミング被った。
「何?」
「あ、いいよ。
隼から喋って」
「いや優衣からでいいよ」
って言われても、言えないよ……
でもここで隼にまた返すのも変か……
「えっと…その…」
私はなんて言えばいいのかわからなくなって下を向いた。
うーん、シンプルに言うのが一番伝わるってわかってるけど、それが一番難しいんだよな。