私たちの、歪な関係




「…………クリスマス会いたい………」


「え?」


小声で言いすぎたか……

「…な、なんでもないっ!隼はどうしたの?」


ごめんなさい花音、私には無理でした。


「あー、俺は……
その…クリスマス出かけない?って思っただけ……」


……!!!!!


花音!!


「で、出かける!」

「ほんと?よかったー」


隼はそう言って安心したような笑顔をみせた。

「私も同じこと思ってた!」


この話になっちゃえばこんなこと言えるのになぁ。

「あ、だから会いたいって言ったのか」


って……え?


「きき、聞こえてたの!?」


「いや、会いたいって所だけぼそっと……」

隼はそう言ってなんか、聞こえちゃダメだったかんじ?


と笑う。


「いや、ダメっていうか…
恥ずかしい……」


私はそんな隼から目をそらしていう。


「まぁいいじゃん、思ってたことは同じだったんだし」


隼はそう言って私の手を握り歩いた。

「うん、そうだね」

私もその手に引かれるようにして歩き始めた。



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