私たちの、歪な関係
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「花音ただいまぁ」
「あ、優衣。おかえり」
隼たちとばいばいして教室に戻ると1人で私を待っててくれた花音。
ごめんよ花音。
「ごめんねっ。食べよ」
「うん、お腹ぺこぺこー」
花音の前の席の椅子に座り花音と向き合う。
「メロンパン?美味しそう」
「隼が買ってくれたの、一口食べる?」
「食べるー」
花音に一口あげると残りのメロンパンにかぶりつく。
美味しいこのメロンパン!
隼がオススメするのもわかるなぁ。
「ん?ジュースも買ってもらったの?」
私のぶどうジュースを目にした花音が言う。
「んー、買ってもらったっていうか…」
私は今さっきあったことをすべて話した。
「へぇ。隼くんそんな事するんだ」
「ね、私もびっくり」
あくまで私達は恋人のフリ。
そこまでしてもらうことはないのに。
………気持ちなんてないんだから。