私たちの、歪な関係




「泣かないの。私は大丈夫だから!
ほらもう元気もりもり!」


お母さんはそう言ってピンと背筋を伸ばして両腕をあげた。


「もう、何やってるの…」


それが何だかおかしくて。


その涙はすぐに笑い涙になった。





「優衣、私は大丈夫だから花音ちゃんのところ行ってあげて。
きっと優衣の事だから、置いてきたんでしょう?」


お母さんはエスパーなのか……



「なんでわかったの……」


「だって私、花音ちゃんママに連絡したら花音ちゃん家を飛び出していったっていうから…
それに優衣がすぐ飛んできたのを見てね」



お母さんはそう言ってウインクをした。


「そっか……
ありがとう、ごめんね。行ってくる」


「うん」



私は病院を後にするとまた家へ戻った。


花音の姿はない。


私は花音の家のチャイムを押した。



するとすぐに「はーい」と声がして扉が開けられた。


「あら優衣ちゃん!
まってね、すぐ花音呼ぶわ。

かのーん!!優衣ちゃん来たわよー」


でてきたのはおばさんで。


すぐに花音を呼んでくれた。



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