私たちの、歪な関係
「だって、自分や相手の身にいつ何が起こるかわからない。
だから言える時にたくさん言っておきたいんだ。」
……隼?
「あーいや、俺おばあちゃん子だったからさ。
中二のおばあちゃんが死んだ時、本当にそう思ったんだ。」
そうだったんだ……
「じゃあ私も」
私は見えてきた花音の家を背に隼に向き合って立ち止まった。
「………好き」
そして隼を見上げて言うと、隼の顔がだんだん赤くなっていくのが暗い中だけどぼんやりわかる。
あ………照れてる。
「あほったれ」
隼はそう言って顔を隠した。
私はちょっとしてやったりの顔をして隼の手からレジ袋をひょいと取り上げると
「じゃあまたね!
ありがとう」
と花音の家へ走った。
「はー、ほんとにもう……
馬鹿野郎」
隼の言葉は私には届かなかった。