私たちの、歪な関係
「隼~………」
隼のクラスを覗くと、なにやら人だかりが。
「え、あの子誰?」
「かわいい……」
あ……
朝の子が隼と駿くんと3人で居る。
「え?どういうこと?」
花音も驚いている。
「あ、優衣」
私たちに気がついた隼がそう言って私を見ると、人だかりの人も一気にこちらを向く。
「あ、優衣ちゃん」
「今日もかわいいなぁ」
私にもさっきの子のように褒め言葉が飛ぶ。
……そう、こう言われるのは私の立ち位置。
たしかに可愛いけど、なんだかずっと言われてきてそうなるように作った私としては気にいらないというか……。
「隼っ、あの子だぁれ?」
隼の腕に自分の腕を絡ませるその子。
…………ん?
なんで?
それに隼も別に嫌がっていない……
……なんで?
「優衣は俺の彼女だけど……」
「…ふぅん………」
腕を絡ませるその子は私を品定めするように上から下までじっくりと見る。
「…ありゃりゃ」
花音がボソリと言う。
「…どうなってるの」
私も思わず声を出す。
「隼っ、駿ちゃん、楓もあの子と仲良くなりたい!」
するとそう言って私を指さすその子。
「私も一応いるんだけどなぁ」
花音が少し面白半分に言う。
「帰ろっ」
そしてその子は隼と駿くんの腕を掴んでこちらまで来た。
「初めまして、白木 楓-シラキ カエデ-ですっ。」
そして私の前まで来るとそう言って笑った……
もちろん、作り物の笑顔。
私にはわかるよ。
だってその笑顔、私の所有物だもの。
「初めまして、如月 優衣です」
そして私も、白木さんと同じ笑顔を貼り付けた。