私たちの、歪な関係
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放課後、駿くんが来るというので花音とバイバイしてクラスで待っていると駿くんが来た。
「優衣ちゃん」
「あ…教科書ありがとう」
「いえいえ、怒られなかった?」
「うん、おかげさまで」
…なんだか少し気まづい。
「優衣ちゃんばいばーい」
「ばいばい!」
教室に少し残っていた人たちに挨拶をすると教室には私と駿くんだけになった。
「人気者は大変だねー。さ、帰ろ!」
「別に人気者なんかじゃ…」
私は駿くんの背中を追った。
「隼は楓に連れてかれちゃったよ。」
「そう…」
廊下を、なぜか2人で縦に並んで歩く。
私が駿くんの後ろをつく。
………なんとも異様な。
「なんて、嘘だよ。
俺が今日は優衣ちゃんもらうねって来ただけ。
その時の隼の顔は見物だった…」
ケラケラと笑いながらいう駿くん。
……きっと白木さんは嬉しそうな顔をしたんだろうな。
それでも私は、"その時の隼の顔は見物だった"という隼の顔が見たかった。
「優衣ちゃん、俺のこと警戒しすぎ」
突然、駿くんがそう言って立ち止まり私の方を振り向いた。
「警戒なんて…」
「してる、それにあからさまに落ち込みすぎ。」
なんでも見抜いたようなその視線。
「楓のコト、そんなに嫌い?」
「嫌いなんて、別に思ってないよ!」
嫌いと思うまで関わってもないし。
ただ、私が嫌われているんだ。
「楓は不器用だからね。
つきあってやって」