私たちの、歪な関係


"楓、ちょっとひねくれてるとこあるけどイイヤツだから仲良くしてやって"


隼も前に似たようなことを言っていたな。



白木さん、難しい子だ。


「俺が見るに、優衣ちゃんの事は嫌ってないから安心して」



ほらまた、そのなんでも見抜いたような目。




「だといいけどな」




私はそれしか言えないじゃないか。











それからは私の家まで学校の事や授業の事をたくさん話して帰った。




「送ってくれてありがとう」


「いーえ。隼には悪いことしたね。
優衣ちゃんにも、ごめんね」


「そんな…ありがとう。
私の事、元気づけようとしてくれたんでしょう?」


「そんなんじゃありません」


そう言ってニカッと笑う駿くん。


「じゃあまた」



そして手を軽くあげて帰っていった。




……いい人だな。





駿くん、ヘラヘラしてるけどきっと真が強いんだろうな。












嗚呼、私あの人のこと苦手だったんだ。








それさえも忘れてたくらい、いい人。















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