私たちの、歪な関係
「あ、優衣。
数学のプリントみして」
「いいよ、教室行ったら渡すね」
花音が気を使ってくれたのか私に話しかけてくれる。
4人で登校してるはずなのに、白木さんと隼、私と花音別々で登校してるみたい…。
こんなに近くにいるのにな……
下駄箱に行くと、白木さんは学年が違うので離れていく。
……下駄箱は一番遠い。
「優衣」
靴から上履きに履き替えると隼が私の肩に手を置く。
反射的に隼を見る。
「今日は一緒に帰ろう。
2人で」
「うん……」
嬉しいはず、なのに……
不安………
「隼ーっ」
あ、白木さん……
「私今日日直なんだった!
行くね!」
私は逃げるように花音の腕をとり走って教室へむかった。
「優衣~、よかったの?」
走りながら花音が言う。
「なにが?」
「2人にしちゃって」
「だって……」
これ以上2人を見ていられなかった。