私たちの、歪な関係
「優衣?」
「私一人で振り回されてて馬鹿みたい……」
ちらりと隼の顔を盗み見る。
……ニヤけてる。
馬鹿にしてるんだ、隼の馬鹿!
「馬鹿にするならすればいーじゃんかぁー!」
私はそう言って隼に背を向ける。
あー悔しい悔しい!!
「ごめんごめん」
笑いながら言っても肯定してるようにしか思えない。
「なんか、嬉しい…」
嬉しいって…!
人が困ってるのに…!
「なにそれっ!」
思わず振り返ると、その瞬間に隼の腕の中へ。
「なっ、!」
「ヤキモチ、嬉しい。
楓が意地悪してたとき、ヤキモチやいてたでしょ?」
「なっ…、ヤキモチなんて…!!」
やいてない、と言いたいところだが。
バッチリやいていた。
「でもごめん。優衣は嫌だったよね」
私の頭をなでる手が優しい。
許してしまう………