私たちの、歪な関係
「まぁ、一安心はしたわけだしほっといても…」
花音の言葉を聞き終わる前に白木さんが私に突撃という勢いで抱きついてきた。
「今日もかわいいっ」
「し、白木さ……」
シヌ……
「あらまぁ、思ったより熱烈…」
花音…助けて……
「楓……」
そう言って白木さんを剥がしてくれたのは隼。
「隼離してっ」
私は酸素を吸う。
「なんだか面白くなりそう」
花音……
「優衣先輩っ、行きましょ!」
白木さんはそう言って私の腕に自分のそれを絡めるとみんなを置いて歩き始めた。
もちろん必然的に私もそれについて行くことになるわけで。
「白木さ……」
「楓です!」
「…楓ちゃん…?」
「はいっ!」
「元気だね…」
「優衣先輩がいますから!」
こんな真っ直ぐ、思われたらきっと幸せなんだろうな。
なんて他人事のように思ってしまった。