私たちの、歪な関係


もう1月も終わりに近ずき、2月に入ろうとしている。

私たち3年生は2月から自由登校が始まり、3月の頭には卒業式。

もう、この学校にくるのも、みんなと話すのも制服に腕を通すのも数少なくなってきた。


「終わっちゃうんだね、やだ~」


花音が空を仰いで言う。

終わり……

「寂しいね」

私もつられて空を見る。

「優衣ともこうやって毎日お昼食べれなくなるんだよー、私友達つくれるか心配」

「花音はすぐみんなと仲良くなれそうだけどな」

「なにその、自分はなれないーみたいな」

「なれない気がする」

「もー、猫かぶりの優衣ちゃん何言ってるの!」

「ちょ、やめてよ。声大きい。」

「あはは、ごめんて。」


こうやって花音と笑ってお昼を過ごすのもあと少し。全てがあと少しなんだ。


「まあ、まだ1ヶ月あるし呑気にやっていこう」

花音は寂しがる私を察してか、そう言って笑うと「授業はじまるよ」と扉の方へ向かった。

私も、それに続いた。


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