私たちの、歪な関係
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「隼」
放課後、いつものように私は隼のクラスへ。
「じゃ、またね」
「おー、優衣ちゃんもばいばい」
そしてそれに気づいた隼と駿くんはいつものように。
こちらにくる隼を待ちながら私は駿くんに手を振る。
「おまたせ」
「全然待ってないよ」
私と隼は笑い合い、下駄箱へ向かった。
「そういえば、最近楓ちゃん見ないね。」
ついこの間までしつこいくらい毎日隼たちにくっついていて毎日会っていたのに、最近では全く見なくなった。
「友達でもできたんじゃない?楓はそーゆー奴。」
隼はそう言って笑った。
「そうだね、ならよかった」
私もそれに笑顔で返す。
そうだよね、楓ちゃん転校してきたばっかだったし隼たちしか知り合いがいなくて無理してこっち来てたのかもしれない。
「今日ね、お昼休みに花音ともうすぐ高校生終わりだねって話をしてたの」
私は帰路につくと自然と会話を始める。
「確かに、もう終わりだね」
「なんだか、寂しいね」
「うん、寂しい」
しゅん、と音がなりそうなほど今の私たちはさみしさをまとっている気がする。
「ご、ごめん!こんな空気にさせたかったわけじゃないの」
私はあわてて隼を見上げる。
「はは、わかってるよ。
でもほんと、寂しいなー。俺も最近よく考える。このまま卒業して進学して、この先どうなっていくんだろうって。」
隼はそう言って自然と繋がれていた私の手を強く握り直す。
それに私も答える。
隼と、離れたくないなあ。
そんなことも、ぼんやり考える。