私たちの、歪な関係
「卒業おめでとう」
私はそう言って握る手の力を少し強める。
「おめでとう」
隼もそう言って手を握り直す。
本当に卒業しちゃった。
「うちくる?」
隼がいつもの調子でいう。
「うん、ゲームしよ!」
だから私もいつも通りいう。
「お邪魔します」
「どーぞ」
誰もいないみたいだ。
「あー!」
隼の部屋へ行くと、見たことのない新作のゲームが。
「なんで!これ発売したばっかでどこも売り切れ…」
「予約しておいたんです」
隼は得意げに笑って荷物を置く。
「優衣とやろうと思ってね」
「やる!だいすき!」
私はそう言ってるんるんでそのゲームのパッケージを眺める。
するとひょいとゲームを取られた。
「?」
「だいすき、って何が」
隼をみると、意地悪げに笑う。