私たちの、歪な関係
「げ、ゲーム」
私はそう言って隼から視線を外すとゲームを取ろうと手を伸ばす。
けどその手はあっけなく取られた。
「ゲームに優衣がとられるのは納得いかない」
隼はそう言ってゲームを独り占めする。
「な、今に始まったことじゃないでしょ。私がゲーム好きなの」
私はそう言ってカバンを床に置く。
「俺は2番目?」
隼はそう言って寂しそうに首を傾げる。
確信犯………
「そう思うならそうなんじゃない?」
だから私も少し意地悪。
「ふーん、そうなんだ」
隼はつまんなそうに言うと私のツインテールを軽く引っ張る。
「何」
「ツインテール以外の優衣、見たことあるやついるの?」
「そりゃ、花音やお母さんは….」
「そうじゃなくて、男。お父さんはなし」
隼はそう言いながら私のツインテールを解く。
「…いないよ、隼だけ」
本当に、ずっとツインテールなんだから。
「そう」
隼はそう嬉しそうに笑うと私をぎゅっと抱きしめた。
「あ……」
すると丁度、窓にあたる雨音が聞こえてきた。
「雨だね」
隼はそう言って私の髪をいじる。
雨……
懐かしい。
でも今は、目の前の隼に私の瞳は奪われていた。
「俺を1番にして」
そう言って私にキスをする隼。
「ずっと前から1番だよ」
ぼそりと私は呟いた。