私たちの、歪な関係
「ハルちゃぁーん!!」
ノックもなしに保健室のドアを開けて中に入る。
「ちょ、優衣!」
それを隼に止められて足が止まる。
「先生、ごめんなさい」
…なんで隼が謝るのさ。
「ふふ、大丈夫よ。
それにしても久しぶりね」
優しいハルちゃんはそう言って私たちを椅子に座らせた。
「さみしかった?」
ハルちゃんに聞く。
「そうねぇ、さみしかったかも」
「だって、よかったね隼」
「俺は別に…」
またまた……
しょうがない。
「あ、私田中先生に少し呼ばれてるんだった。
隼待ってて」
「はいはい」
邪魔者は消えるとするよ。
二人に手を振り保健室をでると、私は図書室に行った。
別に、田中先生には呼ばれてないし。
これもいつもの事だ。
嘘をついて保健室から抜け出して2人きりにしてあげてる。
まぁ、毎回そうってわけじゃないけど。
私もハルちゃんと話したいし。
そして保健室を抜け出すと決まって図書室に来る。
私、こう見えて本読むの好きなんだよね。